タイ
Vol.54 タイの文字とミツバチ

タイのとある幼稚園をのぞくと、文字の読み方をお勉強中のようです。
文字にはどれも動物や物の絵がついていて、その中の「ポー」という文字にはミツバチの絵が…。
実は、このポーという文字、歴史上ミツバチと深い関係があるそうなんです。13世紀に起こったスコータイ王朝の、ラームカムヘーン王。王は、今日のタイ文字の原型を考案したと言われている人物です。その文字が刻まれた石碑には、あの「ポー」の文字もありました。

文字とミツバチの関係に詳しい専門家に話を伺うと、王は庶民にとって身近なものを選び、その音を文字にしていたそうです。
昔は森にミツバチの巣がいっぱいあり、人々はよく木に登ってハチミツを採っていたことからもミツバチが身近な存在だったことが伺えます。
700年も前に作られた「ポー」の文字。
それは、タイに住む人々とミツバチとの関係の深さを物語る、揺るぎない証です。