まだまだみつばちたちが集まってきました。 今度は大きくって、 ゆらゆら動くおばけの出現です。 ああなんて恐ろしい、目をつり上げ、 口を大きく広げ、 今にもおそいかかってこようとしてるようです。 さすがのカラスも一瞬おじけ付いたようでしたが、 目をまんまるにしながら必死で言いました。 «おかしいよ、おかしいよ。こんな青空の 真っ昼間に、おばけが出るなんて、おかしいよ。» そういえば、太陽がさんさんと 輝いている時のおばけって、 あまり迫力がありません。 まったくカラスは頭がいい。
«あれっ、どうしたんだい今日は" いやに元気がないねぇ。 花は持っていかないのかい…、はは〜んさては、 恐いめにあったんだね» やさしいおばさんは、元気のないカラスの ことを心配してくれました。 のんびり犬のプーピーもちょっと心配そうです。 おばさんは花の好きなカラスのために、 花の種をわけてくれました。 «お前は花の好きな本当はやさしいコなんだろう。 きれいなものが好きなんだよね» カラスはうれしそうに、頭を何度もさげると 元気に飛び立っていきました。