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リトルヘブン
歴史とロマンの町『大豊町』

瀬戸大橋を渡り、川之江JCTから南へ。 四国山地のトンネルの多い高知道の最初にある大豊ICが私の町です。
平家の落人の伝説が各地にあります。国宝薬師如来のある高僧行基が開いた薬師寺。
山下久寿喜林業作業員(山師)

大豊町立川から伊予への参勤交代道は、坂本龍馬が江戸に剣術修行に旅立った道『龍馬青春の道』でもあり、今も保存整備されています。

町には高速道路、国道三十二号線、国道四三九号線があって、JR西日本土讃線の大杉駅近くに、 美空ひばりさんが『日本一の歌手になれるように』祈願した樹齢三千年の日本一大きい『大杉』があって観光客が絶えません。
山の中腹の道をドライブすれば、広い棚田にアイガモを放した『無農薬米』の水田があって、 横の谷にはアマゴが泳ぎ、サンショウ魚も顔をだします。 萌え渡る新緑の木々の中に碁石茶の里があります。昔からの製法を守った碁石茶は、健康食品として話題となり全国へ発送されています。
急流の吉野川は、ラフティングで川を下る都会の大勢の若者で賑い、一瞬過疎の町であることを忘れそうです。

私は二十年前、過疎化して行く里に住む者の責務のような気持ちで、 山林作業の仲間で語り継いで来た『木こりの夜話』を誰かに語りついで欲しいと百二十話を二冊の本にして出版しました。
友人の手助けがあって高知市内の有名書店でベストセラーとなり、一万冊余が売れ艶話は遺りました。 しかし、人の減少で施餓鬼などの伝統行事が消えて行きました。

戦後、山あいの貧しさを嫌って都会の大学に学び、都会に夢みた若者は大成している人が多い。 定年後も永住の地を都会と定め、故郷に帰ってこなくなりました。平家の落人の末裔による都会への帰還でしょうか。
都会に目を向けながらも大豊町に根を張り地域起こしをしている、都への未帰還者の姿を都会へ発信して行きたい。

『帰ってこないか、大豊町へ』

山下 久寿喜 (やました くすき)
1938年高知県長岡郡大杉村(現・大豊町)に生まれる。
1957年測量士補試験合格。
1958年高知農業高校林業科卒業。
農林業に従事。
カメラ、8ミリ映画による集落の記録に興味を覚える。
「山あいの人の心を結ぶ艶話」に興味を持ち保存を考える。
1988年『嶺北ひそひそ話』など二冊出版。
2003年高知新聞のコラム『閑人調』に40回の執筆依頼を受ける。
現、民生委員。嶺北漁業協同組合副組合長。農林業自営。

読者からの便り
歳を重ねるほどに、故郷が無いことは本当に淋しく切ないものが有ります。 リトルヘブンを読ませてもらうたびになんだか知らない懐かしさが胸にどんどんと染み込んできます。 大雪にスッポリと包まれた平瀬集落、凛として美しいです。
岡山県岡山市 M・M

昔は伝統的な事、物ってキライでした。 大人に反発してみたいというのもあって、「そんなもの!」と言っていましたが、 結婚して地域の行事などに参加するとホワホワした気分になりますし、 自分もずっとそれに関わりたいと思うようになりました。 リトルヘブンは、地域の伝統、味を教えてくれます。
愛知県名古屋市 S・Y(24)

藁を使って皆で作る鍾馗様。 読経により人形が神になり、一年経つと土に返る。 自然のリズムそのままに、信仰される鍾馗様の何と幸せなことでしょう。
東京都葛飾区 I・M(51)

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