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リトルヘブン
C川沙羅ちゃん(愛犬は、チョコ♀)
 田井小学校4年生のC川沙羅(すけがわさら)ちゃん(10)は、「子ども師匠」と呼ばれている。蕎麦打ちの師匠だ。おじいちゃんに教えてもらって、5歳の頃始めた。「包丁使いが、うまいんだわ」。おじいちゃんのC川隆雄さん(60)も可愛い弟子の活躍には驚くばかり。
 昨年秋、田井地区の「筑波山麓秋祭り」で、隆雄さんと沙羅ちゃんによる「蕎麦打ち体験」が行われ大盛況だったのだ。
 今年もまた、秋祭りを一カ月後に控え気合いが入る。「お客さんにプレゼントしようと思ってね、ちょっとずつ折ってるんだ」。沙羅ちゃんが、小さな折り紙で作ったサンタクロースや蛸を見せてくれた。
 ひいばあちゃんの千代子さん(85)が、「私ももらったよ」と目を細める。「私の誕生日に、お人形を折ってくれてね、『長生きしてね』って書いてあったんだよ」。沙羅ちゃんの心のこもったプレゼントと、愛らしい笑顔で、今年も秋祭りは盛り上がること間違いなしだ。
読者からの便り
 緑の葉に宝石を散りばめた様な写真に魅せられて読みました。ダムに沈む運命の福井県の山村。十一世帯の集落で犬のマーフィが行方不明になる小さな事件が物語の始まり。「熊かも知れん」と心を痛める集落の人たちの声に、共に生きてきた家族に寄せる温かい心が伝わります。
 隣接の湖国滋賀県から大阪に移り住んで早七年半。都会では話題にもならない“小さな事件”は、思いやりの心を教えてくれた「大きな物語」でした。
大阪府大阪市 K・S(61)
 ウドの煮しめ、今は亡くなった祖母が大好きでした。子どもの頃は、あの苦味が嫌でしたが、今回の記事を読み、懐かしく思い出しました。また、食べてみたいです。
愛知県名古屋市 S・T(34)
 土の香りや爽やかな風も一緒に届けてくれるリトルヘブン紙。母の故郷と母の思い出が重なり、いつもうるうるします。心の奥底まで親しめる紙面の中の人々の笑顔は素敵です。  ショパンの流れるランチルーム。一緒に食べてみたいほど羨ましい。子どもたちの食べている姿は最高です。こんな経験をしている子どもたちは、大人になったら自分の子孫にも、故郷の思い出を伝えることができるでしょう。
東京都杉並区 I・K(65)


リトルヘブン余録
 取材地を決定する時、本当にここで良いのかと、戸惑いを感じながら、「よし」と決断する瞬間が来る。その「よし」と背中を押してくれる人物が、取材地には必ず居るのだ。
▼今号では、「里人に聴く」で登場していただいた木村嘉一郎さん(80)だ。茨城県で取材することは決めていた。茨城といえば筑波山である。レンタカーを借りて筑波山の裾野をグルグルと廻っていた。傾斜地に門構えの旧家が点在し、豊かな気候風土を感じさせる地を廻っている時、自家菜園らしい小さな畑を耕す男性を見つけた。
▼声を掛けて、「自然と共生する豊かさ」や「地域の絆」「土地の食べ物」をテーマにした新聞の取材地を探しているのだが、力を貸してほしいと伝えた。彼は、「面白いことを言うな。家に来てゆっくり話を聞かせなさい」と、私の素性を聞くでもなく先に立って自宅へ向かう。その屈託のなさに、ここで取材だなと直感した。そこが六所集落だった。
(リトルヘブン編集室:芥川 仁)
芥川 仁 オフィシャルサイト>>>

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発行:株式会社 山田養蜂場  編集:(C)リトルヘブン編集室
Photography:Akutagawa Jin  Copyright:Abe Naomi  Design:Hagiwara hironori