宍粟市立野原小学校は、全校生徒33人。全員が、おじいちゃんやおばあちゃんと一緒の3世代暮らしだ。この日の給食の献立は、ご飯、肉じゃが、鯖の味噌煮、キャベツの即席漬けだった。4年生は、担任の大前英毅先生を囲んで5人で食べる。「家で一番怖いのは誰だ」という話題で盛り上がりながら、鯖の骨もきれいにとる。誰ひとり、米粒一つ残さない。
「そうや、忘れとった。明日豆まき集会や」。食後、小椋雄斗君が、机の中から鬼の作品を取り出して仕上げにかかった。色紙を張りつけて作った雷様みたいな黒鬼には、"忘れ物をすぐする鬼"とある。蒐場奨悟君も慌てて机の中を覗きこみ、自分の鬼を出すとペンで清書をはじめた。"土日をのぞいて起こされないと起きない鬼"。「休みの日は、自然と5時半に目が覚めるんや。お母さんは眠いって言うけどな」
明日の豆まき集会で、自分の中にいる鬼を追い出すのだという。
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