「今年も正月と節句ん時に作ってんけんじょ、うんめえ言うて孫たちも食ったな」。会津の郷土料理こづゆは、帆立の貝柱やキクラゲを入れて作る特別な日のもてなし料理だ。
ひとり暮らしの秋津ミサヲさんは、いつでも作れるように材料を常備している。「ギンナンと里芋は冷凍してあんだ。ギンナンは殻付きをフライパンで炒った後、湯呑み茶碗の底で潰(つぶ)してな、中の薄皮がちょっこら取れねえべして、湯ん中さ入れっとはがれんだ。里芋もな、皮むいて塩水さ漬けてからザックザック切って冷凍すんの。秋にやっとけば、台所で冷てえ思いせずに料理出来るべ。おれ、ずるいこと考えてんだ」。輪切りにした小ぶりの里芋40個は凍ったまま使う。ギンナン40個、人参1本、椎茸2枚、糸こんにゃく2袋、鳴門巻1本。他に帆立の貝柱15個、キクラゲと豆麩(まめふ)はガバッと3つかみほどの分量を、それぞれ水でもどしておく。 |