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リトルヘブン
愛川町も球団もアットホームで居やすい 村中恭兵 (東京ヤクルトスワローズ投手)

取材のために集まってくれた下之街道の子どもたち
取材のために集まってくれた下之街道の子どもたち

 泉 美綺(いずみみき)さん(10)と沼田明葉(ぬまたあきは)さん(10)、中村菜七(なかむらなな)さん(10)の3人は、2か月前に学校のキャンプに行った。事前に、家庭科の先生から出された課題は、ひとりでカレーを作ること。「簡単だったよねえ」と3人は口を揃える。「作ったカレーの写真撮って、先生に提出したの」「私のクラスは絵だった」。その甲斐あってか、キャンプで皆一緒に作ったカレーは大満足だった。
 その時、「私さ、カレーを作ろうとして爆発しそうになったよ」。年上の伊藤愛莉(いとうあいり)さん(12)が、秘密を打ち明けるように言う。「油引くの忘れてたら煙がもうもうと出て、怖くって蓋を閉めたら、爆発するってママに言われたんだ」。結局、それからカレーを作ることはないらしい。「中学生になってお弁当になったから、私も早く起きて、ママを手伝おうって思ったんです。でも、油の匂いを嗅いだら気持ち悪くなって、そのままギブアップ」。チャレンジ精神は旺盛だ。食べ物の話をする時の彼女たちの弾ける笑顔が印象的だった。
読者からの便り
暑くなってくると、幽霊話が多くなってきますね。「お順さん幽霊」もその類かなと思っていました。違うんですね。尼僧になって悩みから脱し、幽霊になってでも尼の名前がほしかったんですね。名前をいただくと礼を言って消えたなんて。願いが叶って良かったですね。
大阪府大阪市 O・Y(49)
ジローラモさんのエッセイを読んで、外国の方が日本のイナカに懐かしさを感じていただいて、とても嬉しく思います。又、奥様がイナカの思い出を大切にしてご主人に話して下さっている事にも。「失われつつある文化を救うことは開発より大切」とイタリアではされるとの事。世界中がそうあってほしいと思いました。
福岡県北九州市 N・T(62)
私の里は、さぬき山脈一番のこぎり状の山の裾野です。父母はもう亡くなってしまいましたが、この記事から懐かしさが思い出され涙が出ました。両親が苦労して維持してきた田畑も今はサルが出るので何も作れないと、退職後の兄が嘆いています。
岡山県岡山市 0・Y(59)
原発事故で何の落ち度もない人が大変な目にあっておられるのに、なお他人を思いやる心優しい人たち。彼らの苦しみを思うと、何も出来ないやりきれなさで哀しいです。温かい表現の記事で、それが救いでした。
愛知県名古屋市 M・A(53)

リトルヘブン余録

中津川堤防近くに、仙台下耕地と呼ばれる水田が、青々と稲葉を茂らせている。その中に休耕田の草山が二か所。堤防沿いの道に望遠レンズを草山に向けている男性。「セッカを狙ってるんです」と、写真を見せてくれた。私にはスズメにしか見えない地味で小さな野鳥だ
▼私の反応が鈍いのを察知した彼は、「カワセミが来る場所がありますよ」と親切だ。腹はオレンジ色、背中にコバルトブルーの筋、水中にダイビングして魚を捕獲する人気の野鳥だ。教えてくれた場所は、灌漑用水が、中津川に流れ込む水門。川底にドジョウが居るのだと言う
▼水門近くで待つ。辺りは暗くなってきたが、カワセミは姿を見せない。そこに、先ほどの男性が。「気になったので様子を見に」。自然を愛する人はあくまでも親切だ。「来ないですか」と不思議そう。「どこから狙ってましたか」と聞くので、水門近くの草むらを指さす。彼は笑い転げた
▼「あんな近くに立っていたら、野鳥は来ないですよ。離れて車の中から狙わないと」。翌朝は、五時過ぎに同じ場所へ。車の中で待機。来た来た。水門のハンドルにカワセミが一羽。カメラに手を伸ばした途端、パッと飛び去った
▼用水路の最終地点にドジョウがいると聞いて、使っている農薬を知りたくなり、会う農家ごとに聞いた。農薬の名前や種類を正確に答えられる人はほとんど居ない。兼業農家なので、そこまで自分で考えないと言う。少し驚いた。

あなたの故郷を取材地にご推せんください。
 
(リトルヘブン編集室:芥川 仁)
芥川 仁 オフィシャルサイト>>>
 
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発行:株式会社 山田養蜂場  編集:(C)リトルヘブン編集室
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