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リトルヘブン
愛川町も球団もアットホームで居やすい 村中恭兵 (東京ヤクルトスワローズ投手)

曽爾小学校の教室で話を聞かせてくれた岩阪ひなたさん
曽爾小学校の教室で話を聞かせてくれた岩阪ひなたさん
「お刺身にシソを巻いて、ワサビをたっぷりつけて食べるんが大好き」と言う岩阪ひなたさん(10)は、小学校4年生だ。「じいやとばあやは、ホウレン草の出荷をしてます。私が手伝うってことはないけど、この前サツマイモを掘った時には私もやりました。スティックみたいにしてお母さんが油で揚げてくれて、甘くて美味しかったあ」。
季節の野菜は家の畑で穫れる。トマトは隣の寺前さんに頂く。作る人の姿を見て育った。
最近、スクールバスを待っている時にちょっと怖い思いをした。「バス停の前が森になってて、よく猿がキャッキャいってるんです。そしたらこの前、太良路橋を渡って、私の方に歩いて来たんです。そうだ、カラスに襲われかけたこともあるんです。
キラキラのキーホルダーをランドセルに付けてたら、頭を突かれそうになった」。 全校生徒49人の曽爾小学校に太良路から通うのは、ひなたさん一人。一緒にバスを待つ友達がいたらいいのに、と願っている。

読者からの便り
子どもの頃、急性腎炎になり、利尿作用があると薬に頼らず、畑で穫れたトウモロコシのヒゲを煎じて飲ませてくれた祖母。この時期になると厳しいなかにも、祖母の優しさを懐かしく思い出します。
愛知県名古屋市 Y・K(58)
私はハチミツが大好きで、いつも母に見つからないように食べてしまいます。今回の記事を読んで、私がいつも食べているスプーン一杯は、ミツバチ一匹の大切な命の一杯なのだと感じました。
神奈川県横浜市 T・M(16)

イトさんや松子さんが生卵を飲まれますが、昔小説「紀ノ川」で、女主人が分家に見舞いに持参した生卵を飲んだ事を思い出しました。
私の母も農作業のたいへんな時に飲んでいました。平成時代の私もいただきます。「生卵を飲む」と聞くと悲しいような、それでいてスーパー食品だなと感じました。
福岡県福岡市 K・H(66)

リトルヘブンさんがやってくるのが楽しみ。「土地の香り家の味」がいいなあ。
フナ飯。祖父が丹前の下のモモヒキを丸出しにして座り込み、寒ブナをトントン叩いてミンチにした。畑の野菜を入れ込み、かけ汁にした。油揚げもコンニャクも入った。食べると寒い時でも体中が熱くなった。
岡山県岡山市 N・S(73)

リトルヘブン余録

今号を編集しながら、三ページ「里人に聴く」でお伝えした猪猟を、「楽園」の営みとして読者に受け止めてもらえるか少々不安があった
▼狩猟は、自然の中で暮らす必須技術と冬のタンパク源を摂る食文化として、山間地域に連綿と受け継がれてきた。自然の中で、ただ暮らせば、自然の豊かさを享受できるものではない。日常の弛まぬ労働と継承されてきた地域文化が織りなして、初めて達成できる豊かさだ
▼今回の取材は、十一月十五日の狩猟解禁日前だったので、実際の狩猟とは異なり、田畑を荒す野生の動物を捕らえるため、仕掛けた檻に入った猪の解体だった。太良路地区の田畑は、金網か防獣網で囲まれていた。猪と鹿の害から農作物を守るためだ
▼研ぎ澄まされた小さなナイフ一丁でおこなう解体作業を間近で見せて貰った。猪の体を熟知している首藤義典さんの手際の良さに見入った。幾つかの臓器は猟師たちが、内臓はカラスやサワガニ、狸など山の生き物たちへ、肉は地域の人々と一緒にボタン鍋でと、分配された。残酷という理由で、このような山の技術や文化を回避するならば、やがて人間が生きる本質は見えなくなる。目を背けず、人が生きる技術と文化を見つめなければと思う。
【訂正】21号一ページに掲載の写真説明文で「トノサマバッタ」とあるのは誤りで、正しくは「ツチイナゴ」でした。訂正いたします。

あなたの故郷を取材地にご推せんください。
 
(リトルヘブン編集室:芥川 仁)
芥川 仁 オフィシャルサイト>>>
 
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