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加藤享子さんの「ホタルイカの辛子酢みそ和え」ぎしっと歯ごたえ、口の中で内臓のコクが…
ホタルイカの辛子酢みそ和えとヒトモジ

ホタルイカの辛子酢みそ和えとヒトモジ

 「私の姑おじいさんは、ホタッコ、ホタッコ言うたったわ。今年は私、どんだけ食べたか。ほとんど毎日だがちゃ」と、加藤享子さん(59)。今が旬のホタルイカだ。しかし、まさかの事態。この日は漁がなかったのか、朝獲れのホタルイカを置く店の棚が空。しかたなく、前日に獲れた茹でホタルイカを30杯ほど買った。一日経ったとはいえ、身がぷっくりと丸みを帯びて艶がある。さすがに産地だ。「ホタルイカには、ネギ系のもんを添えるんやけど、代表いうたらアサツキや。山手に行けば自生しとって、アサツキを人から貰う時には、『ホタルイカとでも食べまっしゃい』言われるんや」。5月の連休を過ぎてアサツキのシーズンが終わると、ヒトモジの出番となる。
 ホタルイカは、水っぽくならないように水に晒さず目玉をとる。ヒトモジは、鍋にたっぷりと水を入れ、沸騰したらさっと湯がく。「ヒトモジは半分に切って鍋に入れる人もおいでるけど、甘みが消えるからこのまま入れるんや」。茹で上がったら水に通して、食べやすい大きさに切りホタルイカに添える。辛子酢みそをかけて出来上がり。

 

「朝獲りやったらもっともっと甘いのに」と、享子さんは残念がるが、大ぶりのホタルイカは、弾力があって口に含むと内臓のコクがある。口の中でぎしっと歯ごたえがあって、爽やかな香りのヒトモジとはとり合わせが抜群だ。
 「小学校の時、富山県はホタルイカが有名ですって習うんよね。でも、私が生まれた南砺市の福光いう所は奥まった田舎やから、浜から売りに来んかったんよ。ある時、友達が『うちにホタルイカこうまんしゃった(買った)』言うたんや。『ホタルイカ光っとったがや』って。私ら知らんもんやから『やっぱ光るもんけえ』って、みんなで言い合ったんを覚えとるが」

自宅の庭で加藤享子さん

自宅の庭で加藤享子さん

 
 
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