石井圭子(千葉県)
クワークワー勝ち誇ったような カラスの声が響きました。 まるで、いいもの手にいれたぞ、 すごいだろうと言ってるようです。 またあのカラスにやられたか、 どうにかならないもんかと、 街の人たちも困っています。 とにかく、 頭がよくっていろいろ試してみても カラスを追い払うことが出来ないのです。
«ありゃ、またお前かいまったくよく判るね、 一番きれいに咲いてるのを 盗んでいくんだから» 庭いっぱいのお花の手入れをしていた おばさんはあきれ顔でカラスを見上げました。 なんだってカラスが花を持っていくんだろう、 私と同じで花が好きなのかしら 変なカラスだことと思いながら…。