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わかい画家がいました。シンという名前でした。 シンは小さいけれど住みなれた船をもっていました。 星から星へ旅をつづけ、絵の勉強をしていました。 シンは青い星にやってきました。 «やあ、なんて美しい星だ»とシンはつぶやきました。 «青い宝石のようにかがやいているぞ。きっと心やさしい人々が住んでいるにちがいない» 青い星には小さな王国がありました。 王国は平和でした。戦争もあらそいもなく、人々はのどかにくらしていました。 王国には王様とお姫様がいました。 お姫様は九歳。日ましに美しくなっていくと評判でした。 王様は五十九歳。 五十歳のときの王様にはじめてできた子どもが、このお姫様だったのです。 王女様はいませんでした。 お姫様の誕生とひきかえに、王女様はあの世に旅だってしまったのでした。 |
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