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みつばちの童話と絵本のコンクール


«さすらいのヒーロー
プロ・ポリスマン»
努力賞
作池田香(宮城)




ふははははははは、世界の平和を守るため(この世に悪があるかぎり、ボクは戦い続ける(
ある時は普通の小学生、またある時は謎の通行人、またある時は不思議な少年、はたしてその正体は("人呼んでさすらいのヒーロー、プロ・ポリスマン(ただ今参上(とぉー((
ボクは吉本小学校6年6組、出席番号6番小暮タカシだ(まぁ覚えておきたまえ。
普段のボクは、どこにでもいる普通の小学生にすぎない。だがしかし、ひとたびうちのじぃちゃんがくれたハニーキャンディ(要するにハチミツのあめ玉だ)をなめると、こりゃまたびっくり(さすらいのヒーロー、プロ・ポリスマンに変身してしまうのだ(じぃちゃんが育てたミツバチのハチミツは、ものすごく栄養があるんだ。そのハチミツから作ったキャンディを食べれば、誰にも負けない強い子になるってじぃちゃんが言ってた(だからボクは、ハニーキャンディを食べて、誰にも負けない、さすらいのヒーロー、プロ・ポリスマンに変身するのだ。なぜ変身するのかって"それはボクに、世界の平和を守るという重要な任務があるからさ(プロのポリスマン、つまり、普通のおまわりさんよりもっとプロのおまわりさんという意味だ(どうだ、まいったか(








さぁ、今日も世界の平和を守るため、パトロールに出かける時間だ(むむ("誰かが近づいてくる足音が聞こえる。ふりむいてはいけない(誰か後ろにいるぞ((
«ちょっとタカシ、何一人でブツブツ言ってんの"学校に遅れるよ。»
なんだ姉ちゃんか。心配いらない、彼女はボクの姉ちゃんのポリスガール・ユミコだ。ボクと一緒に世界の平和を守るために・・・
«あんた何やってんの"ふろしきなんか首に巻いて。お母さんに怒られるよ。»
姉ちゃんこそ何を言ってるんだ。これはふろしきなんかじゃない、マントだ(
«お母さぁーん、またタカシがわけわかんないことやってるよぉー((»
なんてことだ。そうか、きっと姉ちゃんは敵にあやつられているに違いない。かわいそうに・・・、待ってろよ姉ちゃん、今すぐボクが助けてやるからな(今こそこのハニーキャンディを食べて・・・。
«タカシ(いつまで遊んでるの("早く学校に行きなさい(遅刻するわよ((»
しまった、母ちゃんだ。世界最強のプロ・ポリスマンと言えども、苦手なものがたった一つだけある。それは母ちゃんだ。母ちゃんは、超強力な敵にあやつられていて、プロ・ポリスマンの力をもってしても、なかなか目をさましてやることができない。昔はもっと優しかったのだが、ボクが大きくなるにつれて、だんだんみけんにたてじわがよってきた。そう、あのたてじわこそが敵にあやつられている証拠だ(母ちゃん、待っていてくれ。いつかボクが、修行をつんで、もっともっと強くなったら、絶対に助けてやるからな。昔みたいに、若くてきれいで優しかった母ちゃんにきっと・・・。
«なにブツブツ言ってるの(タカシ(ユミコ(早くしなさい((»
«はぁーい、ほら行くよタカシ。»
姉ちゃんにうながされ、とりあえずボクは、学校へ行くことにした。そう、普段はごく普通の小学生として暮らし、みんなに正体がバレないようにしなければ。いつどこに、敵がひそんでいるか分からないからね。敵をあざむくにはまず味方からって言うだろ"








学校へ向かう途中、たくさんの荷物を抱えた腰の曲がったおばあさんに出会った。かなり重そうだ。これはプロ・ポリスマンの出番だぞ。幸い姉ちゃんはむこうを向いている。今だ(ボクはポケットからハニーキャンディを取り出すと、一粒口に入れた。
へーんしん(とぉー((さすらいのヒーロー、プロ・ポリスマン(ただ今参上((
おばあさん、このプロ・ポリスマンが荷物を持ってさしあげましょう。どこまで運べばいいのですか"
«まぁまぁありがとうぼうや。でもね、家はもうすぐそこだから、大丈夫だよ。»
まあ遠慮しないで、ボクにまかせなさい。
«タカシ何やってんの("遅刻するよー(先に行くからね(»

ダメだ、姉ちゃんは完全に敵に操られている。ボクだけでも、正義をつらぬかなければ。
さぁおばあさん、まいりましょう。おや"もう着いた。
«ボク、本当にありがとう。よかったら名前を教えておくれ。»
いいえおばあさん、名乗る程の者ではございません。ですが、さすらいのヒーロー、プロ・ポリスマンとだけ覚えておいて下さい。礼には及びません。ボクはあたりまえのことをしただけです。では、さらば((
さっそうと去っていくボクの後ろ姿を、おばあさんは熱いまなざしで見送っていた。ふっおばあさん、ボクに恋しちゃいけないよ。ボクは、その愛にこたえてあげることができないからね・・・。
学校へは、なんとかギリギリセーフで間に合った。ボクの通う吉本小学校の先生は、結構厳しい。ボクはなんとか間に合ったが、同じクラスのタカムラ君が遅刻してしまったようだ。担任の浜田先生がやって来た。
«コラー(タカムラ(お前はまた遅刻か(»
浜田先生の話は長い。くどくどとお説教が始まった。これはなんとかしなければ。ボクは、気付かれないようにポケットからハニーキャンディを取り出すと、一粒口に入れた。
へーんしん(とぉーっ((さすらいのヒーロー、プロ・ポリスマン、ただ今参上((
ボクは、算数の教科書を持って、浜田先生に近づいた。
先生(ここが分かりません。教えて下さい。
«えっ("いやちょっと待て、今先生はタカムラに話が・・・。»
先生、早く教えて下さい。ボクは先生を質問攻めにした。今だ、タカムラ君、逃げるんだ(タカムラ君は、ありがとうとウィンクすると、走って逃げて行った。ボクもそそくさと質問を終えると、その場からさりげなく立ち去ったのだった。ふははははは、どうだ(これでまたひとつ、世界の平和を守ったぞ。





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