1.美しい森
ある国に、とても自然ゆたかな森がありました。その森には、神がいると言われていました。川は魚たちとうれしそうに流れていく、まさにしんぴの川でした。
森にさけぼうものなら、声は高く、長くひびき、やまびこがあとをおいかけていく。
風は、葉をそよそよとゆらし木といっしょに空へのぼっていく。
小さな木々がならぶ森の中央に、ひときわ高く、大きく、美しい木がどうどうと立っていました。
この木こそこの森の神ウッドです。
森の動物たちは、ウッドをいつもそんけいし、したっていました。それというのも、雨で川がぞう水した時もウッドは、森の動物たちの方へ大きなうでをやさしくのばしました。
どうぶつたちはウッドが大すきでした。
そんなある日、森に一年に一回の大雨がふりました。空にはいなずまが走り、はい色の雲はゴロゴロとうなって空を流れています。
ウッドは、下にあった大きな切りかぶに動物たちや虫たち鳥たちを、大きな枝ですくいあげ、切りかぶにのせました。
動物たちは口ぐちに言いました。
«ありがとうウッド»
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